飛露喜と泉川の違いは?廣木酒造が生み出す2つの銘柄

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飛露喜は、福島県の廣木酒造が製造しています。廣木酒造は地元向けに「泉川」も手掛けています。どちらの銘酒も廣木酒造の卓越した技術と哲学が込められていますが、それぞれに異なる特徴や魅力があります。

本記事では、飛露喜と泉川の違いや魅力を掘り下げ、廣木酒造のこだわりについて詳しくお伝えします。

目次

飛露喜と泉川の基本情報と違い

飛露喜は、廣木酒造のフラッグシップ銘柄であり、全国的な知名度と人気を誇る日本酒です。特に「飛露喜 純米大吟醸」は、上品な香りと繊細な味わいで多くのファンを魅了しています。一方で、泉川は地元消費がメインで、飛露喜と比べると流通量が少なく、希少性が高い日本酒です。そのため、泉川は地元の特約店などで手に入れやすい傾向にありますが、全国的には入手困難となっています。

両銘柄の主な違いは、ブランドの方向性と流通方針にあります。飛露喜は、廣木酒造が全国に向けて発信しているブランドである一方、泉川は福島県内を中心に地元重視で展開されています。品質はどちらも高いですが、飛露喜はより広い層に向けた味わいに調整されているのに対し、泉川は地元ファン向けの伝統的な風味を重視していると言えます。

項目飛露喜泉川
ブランド誕生年1999年に誕生した比較的新しいブランド廣木酒造の創業当時からの銘柄
位置づけ無濾過生原酒のブームを作った先駆的な存在地元・会津坂下で古くから親しまれてきた銘酒
味わいの特徴リンゴやマスカットを思わせるフルーティーな香りが特徴飛露喜のようなフレッシュさよりも、落ち着いた味わいが特徴
人気と知名度日本酒ファンの間で「幻の日本酒」として高い人気福島県内を中心に地元重視
販売形態多くの銘柄が無濾過生原酒として販売されている火入れ酒として製造されているため、保存性が高い
無濾過生原酒

もろみを搾った後に濾過せず、そのまま瓶詰めされるため、素材そのものの味わいが感じられるのが特徴です。また、火入れ(加熱処理)を行わないため、フレッシュでフルーティーな香りと濃厚で力強い味わいが楽しめます。酵母や酵素が生きている状態のため、時間の経過とともに味わいが変化しやすい点もユニークです。

保存する際は要冷蔵で、風味が変わりやすいため比較的短期間での消費が推奨されます。飲むときは冷酒で楽しむのが一般的で、そのフレッシュさと力強さをより堪能できる飲み方として親しまれています。

火入れ

もろみを搾った後に濾過を行い、60〜65度程度で10分ほど加熱処理(火入れ)を施すことで完成します。この工程により、安定した味わいとなめらかで落ち着いた風味が引き出され、長期保存が可能になります。保存は常温でも問題なく、比較的長期間の保存ができる点が便利です。冷酒、常温、燗など、さまざまな温度で楽しむことができるのも魅力のひとつです。

飛露喜の魅力とラインナップ

飛露喜の魅力は、その繊細でありながらも深みのある味わいにあります。特に人気の高い「飛露喜 純米大吟醸」は、フルーティーな香りと、口当たりの柔らかさ、バランスの取れた旨みが特徴で、飲みやすさの中に日本酒らしいコクを楽しむことができます。

飛露喜 純米大吟醸

飛露喜の最高峰とされる銘柄。山田錦を100%使用していて、その特長が活きたフルーティーな香りがとても魅力的。さらに、味わいのバランスが絶妙。

飛露喜 特別純米無濾過生原酒

飛露喜の代表作。飛露喜の名を全国に知らしめ、無濾過生原酒という日本酒の新潮流を確立した商品。力強く鮮やかな香りと味わいが印象的で、濃厚な旨味がしっかり感じられる。総じて、飛露喜らしい絶妙なバランスの良さが際立つ。

飛露喜 特別純米

飛露喜の定番商品。すっきりフルーティーな風味が心地よく、軽やかな口当たり。でもしっかりと米の旨味も感じられて、全体の味わいがとてもバランスよくまとまっている。

飛露喜 純米吟醸 黒ラベル

SAKE COMPETITION 2019 純米吟醸部門で第1位を受賞。マスカットや白桃を思わせる上品で甘酸っぱい香りが広がる。口当たりは軽くて飲みやすく、甘み・酸味・辛み・苦みが絶妙に調和。

飛露喜の定価と流通

純米大吟醸が8000円前後、その他の種類も3000円から5000円程度と比較的高価格帯ですが、非常に高い人気のため、定価で購入することが難しい場合も多いです。

「飛露喜まずい」というキーワード

飛露喜は高級日本酒として知られ、多くの愛好家に支持されていますが、一部で「まずい」という評価が見られることもあります。このコメントは、主に味の好み、期待値のギャップ、飲み方や保存方法に起因していると考えています。

飛露喜はフルーティーで甘みのある味わいが特徴ですが、淡麗辛口を好む人には甘さが強すぎると感じられる場合があります。また、無濾過生原酒特有の風味の強さが、一部の人には合わないこともあります。

さらに、希少性や高価格から期待値が高くなりがちで、実際の味わいとギャップを感じた場合、「まずい」と評価されることがあります。また、適切な温度管理や開栓後の時間により味が変化するため、飲み方や保存方法も評価に影響します。

「まずい」という意見は一部に過ぎず、飛露喜は多くの日本酒ファンに高く評価されています。自分の好みに合った飲み方を見つけることで、より楽しめるでしょう。

泉川の魅力とラインナップ

泉川は、地元の特約店で親しまれる銘柄で、特に「泉川 純米吟醸」が人気です。飛露喜と比べて流通量が少ないため、入手困難ですが、地元での根強い人気があります。その香りは穏やかで、味わいはどっしりとしつつも滑らかで、日本酒好きの方にとってはたまらない味わいです。

泉川の値段と特約店情報についても、純米吟醸は3000円前後と比較的手頃ですが、取り扱い店が少ないためプレミアがつくこともあります。泉川を扱う特約店は福島県内に集中しているため、地元での購入を検討するか、泉川を扱うオンラインショップを活用するのが良いでしょう。

泉川 純米吟醸

飛露喜の地元向けブランドとして親しまれていて、飲みやすさと日本酒らしい味わいが絶妙にバランスの取れた一本。飛露喜と比較すると、やや濃いめの味わい。

銘柄特徴
泉川 大吟醸高級酒として位置づけられる
泉川 特別本醸造日常的に楽しめる定番酒
泉川 純米酒米の旨味を感じられる

廣木酒造のこだわりと歴史

廣木酒造は、福島県会津坂下町に位置する歴史ある日本酒蔵です。その歴史は江戸時代中期に遡り、正式名称は「廣木酒造本店」。現在、9代目の杜氏である廣木健司氏が酒造りを担っています。廣木酒造は、かつて廃業の危機に直面しましたが、1997年に先代が急逝したのち廣木健司氏が8代目から蔵を継ぎました。この転機を迎えた際、地元酒販店からの連絡やテレビ取材、そして「十四代」で有名な高木酒造との出会いが復活のきっかけとなりました。

その後、廣木健司氏はフレッシュでフルーティーな日本酒造りに挑戦し、無濾過生原酒の製造によって日本酒業界に新風を巻き起こしました。廣木酒造の代表銘柄として知られる「飛露喜」は、全国的に人気の高い日本酒であり、その中でも「特別純米無濾過生原酒」が特に評価されています。また、廣木酒造の伝統的な銘柄として「泉川」も製造されており、地元で愛され続けています。

廣木酒造の製造哲学は「自分らしい酒造り」を追求することで、革新的な製法に挑戦しながらも伝統を大切にしています。無濾過生原酒のような常識にとらわれない製法を採用する一方で、定番酒の重要性も認識しており、「飛露喜 特別純米」を開発するなど、さまざまなニーズに応えています。こうして廣木酒造は、伝統を守りつつ革新を取り入れることで、「飛露喜」ブランドを通じて日本酒業界に大きなインパクトを与えています。若い蔵元杜氏の情熱と他の酒蔵との交流を活かし、独自の味わいを持つ日本酒を生み出し続けています。

十四代との出会い

高木酒造の「十四代」との出会いは、飛露喜の誕生と発展において大きな影響を与えました。廣木氏は、十四代を飲んだ際、従来の日本酒とはまったく異なる芳醇な旨みと切れのある飲み口に強い衝撃を受け、これが飛露喜独自の味わいを追求するきっかけとなったのです。「十四代」の革新的なアプローチに触発され、廣木氏は従来の業界常識にとらわれない「無濾過生原酒」の製造に挑戦しました。この無濾過生原酒が、後に飛露喜の代表的な銘柄となり、廣木酒造の個性を際立たせる製法として知られるようになりました。

また、十四代の高木氏から「無濾過生原酒はあくまでも変化球であり、良いストレートがあってこそ変化球も生きる」というアドバイスを受け、廣木氏は定番酒の重要性を再認識しました。このアドバイスに基づき、廣木氏は通年販売が可能な定番酒「飛露喜 特別純米」を開発。この商品は、飛露喜ブランドの安定供給と成長に寄与し、多くのファンに親しまれる銘柄となったのです。

まとめ:飛露喜と泉川、何が違う?廣木酒造が生み出す2つの銘柄

飛露喜と泉川は、どちらも廣木酒造の高い技術力とこだわりによって生み出された素晴らしい日本酒ですが、流通方針や味わいに違いがあります。飛露喜は全国的に展開され、泉川は地元重視で流通されています。それぞれの特徴を理解し、信頼できる特約店での購入を検討することで、質の高い日本酒を手に入れることができるでしょう。ぜひ、廣木酒造の日本酒を味わって、その奥深い世界に触れてみてください。

Sake Café Journalでは、日本酒にまつわる幅広い情報をお届けしています。このブログでは、初心者の方にも楽しんでいただける基礎知識から、愛好家向けの専門的な内容まで、さまざまな視点で日本酒の魅力を発信しています。もしこの記事に興味を持っていただけましたら、ぜひ他の記事ものぞいてみてください。きっと新しい発見があるはずです!

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この記事を書いた人

『Sake Café Journal』へようこそ。20年以上にわたり、ぐい吞みを蒐集してきた私ですが、そこから自然と日本酒の世界に引き込まれ、今では日本酒そのものも深く楽しむようになりました。このブログでは、ぐい吞みなどの酒器の魅力や、日本酒の選び方・楽しみ方を中心に、初心者の方でも気軽に味わえる日本酒の世界をお届けします。日本酒に合う器とお酒、その組み合わせの妙をカフェのようにリラックスした雰囲気でご紹介していきます。

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