花陽浴(はなあび)は、SAKETIMEのランキングで十四代、而今、ナンバー6と並んでトップ10に入る人気で美味しい実力の銘柄です。
味わいは、まるで果物を口に含んだような爽やかさと奥深さを感じさせるところにあります。この独特の味わいが情熱的なファンを生み出します。同時に、入手が難しいことがさらにその魅力を高めています。
花陽浴の生産量は非常に限られています。この生産量の少なさが、花陽浴が「幻の酒」や「入手困難な酒」と呼ばれる主な理由です。南陽醸造は家族経営の小さな蔵で、製法にこだわり1本1本丁寧に作るため、生産量を増やすことが難しい状況です。花陽浴の人気と評価の高さから、需要が供給を大きく上回っており、このことが入手困難な状況を生み出しています。
花陽浴の定番
美山錦 純大吟醸
花陽浴は、フルーティーで華やかな香りと、バランスの取れた味わいが特徴的な日本酒です。特に美山錦を使用した純米大吟醸は、南国フルーツを想わせる個性的な香味が楽しめます。
越後五百万石 純米吟醸
甘みは控えめながらも、豊かな香りと味わいがまさに花陽浴らしさを感じさせます。その風味はまるでパイナップルや青リンゴを思わせるようなフルーティさがあります。袋吊り製法によって圧力をかけることなく、一滴一滴丁寧に滴り落ちた貴重な雫をそのまま瓶詰めした、非常に贅沢な生原酒です。
山田錦 純米大吟醸
この日本酒は、花陽浴の最高峰として位置づけられる、極めて希少な逸品です。その完成度の高さから「日本酒の芸術品」とも称される究極の大吟醸酒で、気品に満ちた華やかな香りが特徴です。一般的な純米大吟醸酒が持つフルーティーで華やかな吟醸香をしっかりと感じられます。
味わいは、端麗でありながらまろやかな甘みが絶妙に調和しており、原料米がもたらす旨味とコクも豊かに感じられる仕上がりとなっています。その一杯一杯が、特別な日本酒です。
花陽浴とは?基本情報と南陽醸造の紹介
南陽醸造は、1870年(明治3年)、に創業された長い歴史を持つ酒蔵です。酒蔵の名前「南陽」は、中国の歴史に由来しており、三国志に登場する諸葛亮孔明が隠棲していた地名から命名されています。この名称には、自然豊かな環境で高品質な酒を醸すという精神が込められています。
埼玉県羽生市に位置する南陽醸造は、自然環境に恵まれた立地が特徴です。羽生市は水が豊富で、荒川水系と利根川水系からの伏流水を利用しています。この軟水は井戸から汲み上げられ、仕込み水として使用されます。この水の特性により、口当たりの柔らかい日本酒が生み出されています。
創業以来、南陽醸造は質の高い日本酒を作り続け、地域に深く根ざした存在として親しまれてきました。その歩みの中で、2003年には「花陽浴(はなあび)」というブランドを立ち上げ、全国的な知名度を得ることに成功しました。このブランドは、フルーティーな味わいなどの革新性を取り入れつつ、伝統的な製法を大切にしており、多くの日本酒愛好家から高い評価を受けることになったのです。
南陽醸造は150年以上の歴史を通じて、伝統を守りつつも新たな挑戦を続けており、地域の特性を活かした酒造りに力を注いでいます。このように、長い歴史と革新的な姿勢を併せ持つ南陽醸造は、埼玉県羽生市が誇る日本酒文化の象徴として、多くの人々に愛されています。
花陽浴が買えない! 代わりになる日本酒はある?
花陽浴を直接蔵元で買う
花陽浴を直接購入する主な方法として、南陽醸造(埼玉県羽生市)で直接購入することがあります。ただし、この方法でも入手できない確率の方が高いことには注意が必要です。販売は不定期で行われるため、事前に詳細な告知がないことが多く、情報収集を怠らないようにしましょう。また、販売日には朝早くから並ぶ必要がある場合もあり、確実に手に入れるためには忍耐と準備が求められます。南陽酒造公式のInstagramのチェックは必須です。
花陽浴が買えない場合、「亀泉CEL24純米吟醸生原酒」をお勧めしていています
花陽浴が買えない場合、代わりとなる日本酒として「亀泉CEL24純米吟醸生原酒」を強くおすすめしています。亀泉CEL24は、花陽浴に匹敵する、あるいはそれ以上に美味しいと評価する声すらあります。実際に美味しいです!
亀泉 CEL-24 純米吟醸原酒|亀泉酒造
亀泉CEL-24純米吟醸原酒は、高知県の亀泉酒造が製造する、日本酒の中でも特に個性が際立つ一品です。この酒は、高知酵母CEL-24を使用することで、完熟したパイナップルやマスクメロンを思わせる華やかな香りが特徴で、非常に香り高く仕上げられています。味わいは、程よい甘さと爽やかな酸味のバランスが絶妙で、充実した甘味が広がりつつも、フレッシュな酸味が感じられる仕上がりです。また、含み香や余韻にも華やかさがあり、飲むたびにその魅力が引き立ちます。
この日本酒はアルコール度数約14%の原酒で、火入れを行わず、通年で生原酒として提供されています。そのため、フレッシュな味わいと香りが楽しめることが特徴です。
亀泉酒造
亀泉酒造は、1897年(明治30年)に創業し、高知県土佐市の波介山の麓に位置しています。蔵内には寛永十二年頃から枯れたことのない泉が湧き出ており、清流仁淀川水系の軟水を使用した酒造りを行っています。自然への感謝と伝統を大切にしながら、丁寧に醸された酒は高い評価を受けており、2022年のKura Masterでは純米大吟醸部門でゴールドを受賞するなど、その品質は広く認められています。
亀泉CEL-24は、そのフルーティーな香りと爽やかな味わいから、特に冷やして飲むことでその香りを最大限に楽しむことができます。亀泉酒造の伝統と技術が凝縮された一本です。
花陽浴と亀泉CEL-24
花陽浴と亀泉CEL-24は、どちらもフルーティーな香りと味わいが魅力の日本酒ですが、いくつかの違いがあります。花陽浴は少量生産で入手が困難であり、11月中旬から4月頃にかけて20種類以上の生酒が順次発売される一方で、亀泉CEL-24は通年商品として比較的入手しやすいのが特徴です。
香り
花陽浴はパイナップルを思わせる香りが際立っているのに対し、亀泉CEL-24も同様にパイナップルのようなフルーティーな香りを持ちながら、リンゴの香りも感じられるという特徴があります。
亀泉CEL-24のアルコール度数は14%で、火入れをしていない生酒です。また、ラベルには日本酒度や酸度、アミノ酸の数値などの詳細なスペックが記載されており、タンクごとに異なる数値であるにもかかわらず、杜氏の技術により均一な味わいに調整されています。
両者はワイン愛好家にも好まれるフルーティーな日本酒として知られていますが、入手のしやすさや情報の詳細さという点では亀泉CEL-24に軍配が上がります。一方、花陽浴は希少性が高く、季節限定で多彩な生酒を楽しめる点が大きな魅力です。それぞれに異なる魅力がありますね。
まとめ:花陽浴難民必見!代替え案と手に入れるためのヒント
花陽浴は、フルーティーな香りと奥深い味わいで日本酒愛好家に人気の銘柄ですが、生産量の少なさから「幻の酒」とも称され、入手が非常に困難です。埼玉県の南陽醸造が作るこの酒は、家族経営の小さな蔵で1本1本丁寧に醸されており、需要が供給を大きく上回る状況にあります。特に美山錦や山田錦を使用した銘柄は高い評価を受けています。
しかし、花陽浴が手に入らない場合、代わりに亀泉CEL-24を試してみるのもおすすめです。この高知県の亀泉酒造が作る日本酒は、パイナップルやリンゴを思わせる華やかな香りと程よい甘さ、爽やかな酸味が特徴で、花陽浴に近い味わいを楽しむことができます。また、亀泉CEL-24は通年販売されており、比較的入手しやすい点も魅力です。
花陽浴を入手するには、酒蔵で直接購入する方法がありますが、販売時間が限られ、購入制限が設けられることが多いため、事前の準備と情報収集が鍵です。代替品も視野に入れ、フルーティーな日本酒の魅力を堪能してください。
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