産土(うぶすな)の日本酒とは?その評価と魅力。

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産土(うぶすな)は、SAKETIMEのランキングで十四代、而今、ナンバー6と並んでトップ10に入る人気で美味しい実力の銘柄です。

産土の哲学は、産土を通して、土着の文化や価値、自然の素晴らしさを伝えることにあります。

目次

産土(うぶすな)の魅力

産土(うぶすな)日本酒の魅力は、その土地固有の自然環境と伝統を最大限に活かした唯一無二の味わいにあります。熊本県和水町と菊池川流域の豊かな自然環境を活かした酒造りは、地元産の山田錦や阿蘇火砕流岩盤から湧き出る清らかな水を使用し、土地ならではの個性豊かな味わいを生み出しています。

産土は、伝統と革新が融合した形で作られています。生酛造りという伝統的な製法を取り入れるだけでなく、江戸時代の肥後米「穂増(ほませ)」の使用や馬耕(馬と共に土を耕す作業)の復活といった歴史的な取り組みも行われています。

産土という概念は単なるブランド名にとどまらず、日本酒における「テロワール」に匹敵する哲学として位置づけています。この哲学のもと、自然農法の採用や環境保全活動の実施、地域再生を目指す取り組みなど、持続可能性と地域の価値を高める努力が続けられています。

産土とは?

産土は、熊本県の花の香酒造が手がける日本酒シリーズで、2021年12月に誕生した比較的新しいブランドです。「真の地酒」を実現させたいという蔵元の強い想いから生まれ、土地固有の自然環境と伝統を最大限に活かした酒造りを目指しています。

その特徴的な味わいは、さわやかでミネラル豊富であり、生酛造りの特性を活かしながらもクセのない仕上がりとなっています。甘味、酸味、旨味、そして軽やかなガス感が絶妙に調和したバランスの良さが魅力です。原料には菊池川流域産の酒米を使用しており、環境への配慮と自然栽培で育てられた米を用いることで、持続可能な酒造りを実現しています。また、製法には生酛造りを採用しており、伝統と現代技術が融合したアプローチを取っています。

産土は、土地の個性を最大限に引き出し、「ここにしかない味」を追求することで、日本酒に新しい価値観を提示しています。

生酛造り(きもとづくり)は、日本酒製造における伝統的な酒母造りの方法です。この製法では、水、米、米麹のみを使用して、人工的な乳酸を添加することなく、自然の乳酸菌を活用して酒母を育成します。「山卸し」(やまおろし)と呼ばれる米や米麹をすり潰す作業が含まれ、酒母の完成までには約1ヶ月の時間がかかるため、手間と時間が求められる製法です。そのため、現在では全体の約1%程度の日本酒でしか採用されていない非常に稀少な製法です。生酛造りは、伝統的な技術を重んじる日本酒造りの真髄ともいえる製法です。

産土の瓶の特徴

産土シリーズの瓶は、そのデザインと情報表示に特徴があります。ラベルデザインには、土にとって重要な菌や微生物が描かれており、酒造りに必要不可欠なコウジカビや酵母を表現しています。このデザインは、自然界の恩恵である菌や微生物をミクロコスモス的な世界観で表現し、産土の哲学や生産風土を視覚的に伝える役割を果たしています。

産土シリーズの瓶詰めは、単なる容器としての役割を超え、花の香酒造の哲学や製品の特徴を表現する重要な要素となっています。

産土の正規販売店

北海道地酒のカクイ〒078-4103 北海道苫前郡羽幌町南3条2丁目1番地210164-62-1117
桜本商店 本店〒064-0810 北海道札幌市中央区南10条7丁目4-3011-521-2078
東北地酒屋 斎林本店〒987-0003 宮城県遠田郡美里町南小牛田字屋敷1240229-32-2304
泉屋〒963-8851 福島県郡山市開成2-16-2024-922-8641
関東山仁〒321-0111 栃木県宇都宮市川田町888-1028-633-4821
矢島酒店〒273-0047 千葉県船橋市藤原7-1-1047-438-5203
IMADEYA GINZA〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX B203-6264-5537
小山商店〒206-0011 東京都多摩市関戸5-15-17042-375-7026
地酒専門割り酒店 かがた屋酒店〒142-0062 東京都品川区小山5-19-1503-3781-7005
はせがわ酒店 亀戸本店〒136-0071 東京都江東区亀戸1-18-1203-5875-0404
おいしい地酒とワインの店 ワダヤ〒140-0004 東京都品川区南品川5-14-1403-3474-3468
中部吉田屋本店〒461-0017 愛知県名古屋市東区東外堀町17番地052-951-1058
近畿酒楽 掌正〒589-0006 大阪府大阪狭山市金剛1丁目7番8号072-366-6660
九州住吉酒販 博多本店〒812-0018 福岡県福岡市博多区住吉3-8-27092-281-3815
とどろき酒店〒812-0887 福岡県福岡市博多区三筑2-2-31092-571-6304
いのもと酒店〒862-0924 熊本県熊本市東区帯山4-56-15096-382-8088
地酒処 たちはな酒店〒862-0965 熊本県熊本市南区田井島3-9-7096-379-0787

産土のラインナップ

産土|香子 KABASHIKO

産土の香子(かばしこ)には、熊本県の在来種である希少な酒米「香子(かばしこ)」が使用されています。この酒米は自然栽培の手法で育てられ、生酛造りという伝統的な製法で仕上げられています。香子という珍しい酒米を用いることで、熊本の風土が生み出す独特の味わいを酒に閉じ込めています。

産土|穂増 HOMASE

産土の穂増(ほませ)には、江戸時代から伝わる熊本在来種の酒米「穂増」が使用されており、この米は菊池川流域の和水町で自然栽培によって育てられています。製法には、生酛造りを採用し、酵母無添加で仕上げることで自然の力を活かし、熊本9号酵母を使用することで、土地特有の個性がより豊かに表現されています。

産土|山田錦 YAMADA NISHIKI

産土の山田錦には、菊池川流域の和水地区で育てられた山田錦が使用され、精米歩合は55%に設定されています。製法には生酛造りを採用し、熊本9号酵母を使用した無濾過生原酒として仕上げられています。「ここにしかない味」を追求し、土地の個性を最大限に引き出す独自の哲学に基づいて造られています。

自然農法と伝統的な酒造りの技術を評価するため、独自の指標「農醸(のうじょう)」を設定しています。この指標は十二位が最高位とされ、数字が上がるほど、農法や醸造方法に対するこだわりや厳格さが一層高まっていることを示しています。産土レギュレーションは菊地川流域米、無農薬、無肥料、畑苗代、一本掌植、手刈り、稲架掛け、生酛、木桶醸造、酵母無添加など。

産土味わい

産土(うぶすな)の味わいは、さわやかでミネラル豊富な特徴を持ちながら、生酛造りの良さを活かしたクセのない仕上がりが魅力です。甘味、酸味、旨味、そして微発泡感によるガス感のバランスが絶妙で、全体として調和の取れた印象を与えます。

香りについては、若々しく爽やかで華やかな印象があり、特にメロンの香りが強く感じられます。それに加えて、かすかにグレープフルーツやスイカズラ、セルフィーユの香りが調和し、複雑で奥深い香りを楽しむことができます。

産土は、従来の日本酒にはない新しい味わいを持ち、生酛造りの魅力を最大限に引き出した日本酒として評価されています。日本酒を日常的に飲む人々にとっても新鮮な衝撃を与える味わいである一方で、日本酒をあまり飲まない人にも親しみやすい味わいとなっています。

産土が買えない場合、「風の森 秋津穂 657」をお勧めしています

風の森 秋津穂 657は、奈良県の油長酒造が手がける人気の日本酒で、そのフレッシュで爽やかな味わいが特徴的です。原料には奈良県産の契約栽培秋津穂を使用しており、精米歩合は65%に設定されています。製法には7号酵母と奈良特有の超硬水を使用した仕込み水が用いられ、無濾過・無加水・生酒として仕上げられています。

味わいは、メロンなどの果物を思わせるジューシーな香りが特徴で、やさしい炭酸ガスによる発泡感が心地よいアクセントを加えています。透明感がありシンプルで滑らかな口当たりとともに、ナチュラルで優しい甘味が広がります。さらに、後味にはミネラル感のあるほのかな苦味とドライなニュアンスが感じられ、全体のバランスを整えています。

アルコール度数は16%で、風の森ブランドの代表作であり原点となる商品です。その特徴的な発泡感から「大人のラムネ」とも呼ばれ、幅広い料理に合わせやすい点も魅力の一つです。日本酒初心者から上級者まで、幅広い層に愛されるバランスの取れた飲みやすい一本として高い評価を得ています。風の森 秋津穂 657は、その土地の恵みと蔵の技術を感じさせる、特別な一杯です。

まとめ:産土(うぶすな)の日本酒とは?その評価と魅力。

産土は、花の香酒造が提唱する日本酒造りの哲学であり、土地固有の自然環境と伝統を最大限に活かした酒造りを目指す概念です。「産土」という言葉は「産まれた土地」や「土地の神々」を意味する古い日本語に由来し、酒造りだけでなく、ものづくり全般に適用できる普遍的な考え方を表しています。

その地理的領域は熊本県玉名郡和水町と菊池川流域を中心とし、阿蘇4火砕流の影響を受けた土地に基づいて1次から4次までの領域が定義されています。さらに、この産土の哲学は6つの生産風土に根ざしています。和水町の大地、阿蘇と火砕流岩盤の地下水、自然農法で育てられた在来種「江戸肥後米」、土地固有の微生物を活用した酵母、地域の伝統と技術を継承する人々、そして土地への感謝と敬意を表す祈りがその要素です。

産土の実践としては、全ての酒米に菊池川流域・和水産の米を使用し、環境保全活動を積極的に実施しています。また、自然農法を採用することで、持続可能な農業を推進し、地域再生を目指す取り組みを行っています。

この産土の概念は、日本酒における「テロワール」に匹敵するものとして位置づけられており、その土地特有の唯一無二の味わいを追求しています。地域と自然、伝統と革新を繋ぐこの哲学は、日本酒造りの新しい可能性を切り開いています。

Sake Café Journalでは、日本酒にまつわる幅広い情報をお届けしています。このブログでは、初心者の方にも楽しんでいただける基礎知識から、愛好家向けの専門的な内容まで、さまざまな視点で日本酒の魅力を発信しています。もしこの記事に興味を持っていただけましたら、ぜひ他の記事ものぞいてみてください。きっと新しい発見があるはずです!

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この記事を書いた人

『Sake Café Journal』へようこそ。20年以上にわたり、ぐい吞みを蒐集してきた私ですが、そこから自然と日本酒の世界に引き込まれ、今では日本酒そのものも深く楽しむようになりました。このブログでは、ぐい吞みなどの酒器の魅力や、日本酒の選び方・楽しみ方を中心に、初心者の方でも気軽に味わえる日本酒の世界をお届けします。日本酒に合う器とお酒、その組み合わせの妙をカフェのようにリラックスした雰囲気でご紹介していきます。

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